■ 犬は雑食？それとも肉食？

「犬は雑食だから、野菜や穀物もOK」とよく言われますが、実は犬の体のつくりは明確に“肉食寄り”です。

・歯は肉を裂く構造で、すり潰す機能は限定的 ・胃は強い酸性（pH1〜2）で肉や骨を消化しやすい ・腸が短く、動物性タンパクの消化吸収に特化 ・唾液中にでんぷんを分解するアミラーゼがほぼない ・糖質を摂らなくても、たんぱく質や脂質からエネルギー（糖）を作れる

つまり、雑食も“対応できる”というだけで、本質的には肉を中心とした食事の方が体に合っています。

■ 動物園のオオカミは何を食べている？

動物園で飼育されているオオカミの食事は、犬のルーツを知る手がかりになります。

栄養バランスの目安は以下の通り：

・たんぱく質：50〜60％ ・脂質：30〜40％ ・炭水化物：ほぼ0％

筋肉・脂肪・内臓・骨・血液など、獲物をまるごと食べる構成で、消化や代謝の仕組みに非常に適しています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

■ 一方、今のドッグフードは？

市販のドライフードの多くは以下のような構成です：

・たんぱく質：20〜30％ ・脂質：10〜20％ ・炭水化物：40〜60％

この「炭水化物」は、でんぷんや植物性原料に含まれる糖質であり、ほぼすべてが消化吸収されて“糖”として働きます。つまり、炭水化物＝糖と考えて差し支えありません。

さらに、炭水化物の比率が高いフードでは、たんぱく質も動物性よりコストの安い植物性原料（豆類や穀類）に頼っているケースが多くなります。これはラベル上のたんぱく質量を確保しながら、製造コストを抑えるための手法でもあります。

しかし、植物性たんぱく質はアミノ酸スコア（必須アミノ酸のバランス）が低いため、同じ栄養価を得るには“より多くの原料”を摂る必要があるという欠点があります。すると必然的に、たんぱく質と一緒に大量の炭水化物（糖）も摂取することになり、結果としてフード全体がさらに“高糖質化”しやすくなるのです。

これは、私たち人間の食事（特に日本人）に近いバランスであり、犬本来の代謝にはやや不自然なものとなっています。

■ どんな影響があるの？

このような“人寄り”の栄養バランスが長期化すると、以下のようなリスクが高まる可能性があります：

・肥満・糖尿病 ・慢性炎症（皮膚・関節など） ・消化不良や便量の増加 ・筋肉量の減少

※なお、ドッグフードが病気の原因になるとは限らず、あくまで「代謝的に合わない状態が続くこと」による傾向としてご理解ください。

■ じゃあどうすれば？

完璧を目指す必要はありません。また犬はオオカミでもありません。ただし方向性として、以下のような点に注目するとよいでしょう：

・たんぱく質が豊富なフードを選ぶ 、原材料の先頭に「肉類」があるかを確認する

なお、肉の比率が高いフードは、原材料コストや製造方法の関係でどうしても価格が高くなりやすい傾向があります。だからこそ「栄養価が高い＝継続できない価格帯」にならないよう、無理なく続けられる範囲でバランスを取ることも大切です。

■ 『ドッグフード鑑（KAGAMI）』という選択肢

当店スニフが提案する『鑑』は、以下のようなバランスを持つ総合栄養食です。

・たんぱく質：35〜38％ ・脂質：6〜10％ ・炭水化物（NFE）：約33〜35％

さらに、『鑑』は一般的な高温加熱製法とは異なり、低温でじっくり水分を抜く「低温乾燥調理」を採用しています。 これにより、加熱によって起きる糖化（AGEsの生成）を抑える可能性があり、体への負担を軽減する工夫がされています。

■ もっと質を高めたいなら？

より“肉食寄り”のバランスを目指したい方には、『K9 Natural』のトッピング、またはメインとするのがおすすめです。

・炭水化物はほぼゼロ ・高たんぱく・高脂肪のフリーズドライ ・ニュージーランド産のグラスフェッド肉使用

『鑑』に少量加えるだけで、炭水化物（糖）を減らし全体のバランスをさらに犬本来の代謝に近づけることができます。

■ 最後に

ドッグフードの数字だけを鵜呑みにせず、「犬という動物がどんな体をしているか」という視点で、食事を見直すことが大切です。

体調・便・毛並み・体型――日々の小さなサインを見逃さず、愛犬にとって本当に合う食事を一緒に見つけていきましょう。

※本記事はあくまで栄養設計や代謝の観点からフードの傾向を解説するものであり、特定の疾患や治療に対する効能を保証するものではありません。