2025/11/30 13:27

― 適正体重・フード量・代謝・成分バランスの整え方 ―

犬の体重は、食事量だけでなく年齢や生活環境でも変化します。
無理なく、長く続けられる形で調整することが大切です。

ここでは、飼い主さんが日常の中で実践しやすいポイントを整理しました。


1. 適正体重を見極めるポイント

体重の数字よりも、まずは“見た目と触った感触”を確認します。

■ 上から見た体のライン

肋骨の後ろに自然なくびれがあるかどうか。

■ 横から見たお腹のライン

胸からお腹にかけて、軽く引き締まって見えるか。

■ 肋骨の触りやすさ

薄い脂肪越しに肋骨がスッと触れる状態が目安です。

犬種や年齢で多少の違いはありますが、
「BCS(ボディコンディションスコア)」を参考にすると判断しやすくなります。


2. フード量を見直す前に確認したいこと

■ 成犬期の量に切り替わっているか

成長期の量を続けてしまうと、気づかないうちに過剰になることがあります。

■ 推奨量の“上限”を与えていないか

推奨量はあくまで目安です。
体格、性格、活動量によって必要量は変わります。

■ おやつやトッピングのカロリー

体重が落ちない原因の多くはここにあります。
少量でも毎日続くと積み重なってしまいます。

■ 計量は正確か

袋から直接、目分量…
こうした小さな誤差が数週間〜数ヶ月で大きな違いになります。
キッチンスケールでの計量がおすすめです。


3. 年齢による代謝の変化

代謝(エネルギー消費)は年齢とともにゆるやかに低下します。

■ 1〜2歳

最も活発で、必要量が多い時期。

■ 3〜6歳

代謝が安定し、食事量と運動量のバランスが崩れやすい。

■ 7歳以上

筋肉量が落ちやすく、基礎代謝も低下します。
“量を減らすだけ”ではなく、栄養バランスも考えることが大切になります。


4. フード量を減らしても体重が変わらないとき

食事量を下げても体重が減らない場合、原因はいくつか考えられます。


■ フードの成分バランスが合っていない

● 炭水化物が多い
● 脂質が低すぎて満腹感が続かない
● たんぱく質不足で筋肉量が落ちている

これらの組み合わせは、体重管理が難しくなることがあります。


■ 生活リズムや活動量の変化

散歩距離が同じでも、気温・時間帯・運動内容で消費エネルギーは変わります。


■ 少量のおやつが積み重なっている

1日単位では少量でも、1ヶ月単位で見ると大きな差になります。


■ 年齢・体質による個体差

代謝が低めの犬では、
食事量の調整だけでは変化が出にくいことがあります。


5. フード変更を考えるときのポイント(成分バランス)

体重管理を目的とする場合、以下の点を参考にすると選びやすくなります。

■ 動物性たんぱく質が中心か

筋肉量の維持に必要で、基礎代謝にも関わります。

■ 脂質が極端に低すぎないか

脂質が十分でないと満腹感が続かず、間食が増えやすくなります。
(疾病がある場合は必ず動物病院に相談してください)

■ 炭水化物比率が高すぎないか

体重が落ちにくい犬では、ここが大きく影響することがあります。

■ 食物繊維の量

食物繊維が多すぎると、犬によっては便がゆるくなることがあります。
また、繊維が過剰なレシピはカロリー密度が低く、
必要なエネルギーやたんぱく質を確保しにくくなる場合があります。


6. まとめ

犬の体重管理は
「量の調整」だけでなく「成分バランス」「年齢による代謝」を合わせて整えることが大切です。

● 適正体重の見方
● フード量のチェック
● 代謝の変化
● フードの成分バランス

これらを一つずつ確認していくことで、無理のない体重管理がしやすくなります。

■ さいごに

当店では、犬種・年齢・体質をふまえたフード選びや体重管理についてもご相談をお受けしています。
気になることがありましたら、どうぞ遠慮なくお声がけください。